Q. 在庫は合っているのに、なぜ毎回「一度確認します」が発生するんですか?
これは、外注倉庫や複数モールを使っているEC事業者の方から、よく聞く相談です。
・システム上は在庫は合っている
・倉庫にも実物はあるはず
・棚卸も定期的にやっている
それなのに、現場では今日もチャットが飛びます。
「この注文、今出していいですか?」
「一度、倉庫に確認します」
在庫は合っているのに、出荷のたびに毎回“確認”が発生する。
この状態が続くと、現場は少しずつ慎重になり、「決めないほうが安全」になっていきます。
A. 在庫ではなく、「決めていい範囲」が設計されていないからです。
結論から言うと、問題は在庫の正確さではありません。
多くの場合、壊れているのは「誰が・どこまで・即決していいのか」という判断の設計です。
ECの在庫には、常にいくつかの状態が混ざっています。
・すでに受注に引き当てている在庫
・予約・取り置き予定の在庫
・モールと自社ECで同時に並んでいる在庫
・不良・返品・検品待ちの在庫
数字としては「10個」あっても、
「この注文は、誰が、今ここでOKと言っていいのか」が決まっていなければ、
現場は迷い、最後は「一度確認します」に戻ります。
ECの現場で「確認」が増える3つのポイント
① モールをまたいだ優先順位が決まっていない
複数モール+自社ECに同じ在庫を出している。
注文が重なったとき、どこを優先するか決まっていない。
結果として、
・売り越しが怖くて全部止める
・担当同士で判断を押し付け合う
という状態が起きます。
② 外注倉庫とのタイムラグが怖い
システム上の在庫と実在庫にズレが出る可能性を、現場は知っています。
「あるはずだけど、実際は足りないかもしれない」
その不安が、「一度倉庫に確認します」を常態化させます。
③ 不良・返品・検品待ち在庫の扱いが曖昧
物理的にはあるが、売っていいか分からない在庫。
この在庫が増えるほど、現場は判断を避け始めます。
「確認」を減らすには、“今決めていいこと”を先に決める
「確認」をゼロにする必要はありません。
大事なのは、“毎回同じことで確認している”状態をやめることです。
1. 注文の優先順位を紙に書く
(例)
・最優先:自社EC
・次:利益率の高いモール
・最後:セール系モール
「売り越しそうなら、まずセールを止める」と決めておくだけで、現場は即断できるようになります。
2. 安全在庫を“雰囲気”ではなく“ルール”にする
・1日の平均出荷数
・倉庫の反映タイミング
これをもとに、「何個を切ったら止めるか」を明文化します。
3. 倉庫との役割分担を1行で決める
・在庫数の最終責任は誰か
・差異が出たとき、誰が・いつまでに直すか
これを書くだけで、「確認します」はかなり減ります。
その結果
「在庫はあるのに、毎回確認が発生する」のは、在庫管理の問題ではなく、判断設計の問題です。
在庫は「物」。
出荷していいかどうかは「判断」。
判断の設計を変えない限り、「確認文化」はどれだけシステムを入れても消えません。
この記事の内容が、自社のEC在庫の状況に近いかもと感じた方は、
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